2025年のアウトプットふりかえり

2025年はソフトウェアの作り方が大きく変わった年として記憶されるだろう。自分にも特に印象に残る一年だった。仕事で2025年のアウトプットをまとめる機会があったので、記録として残しておくため、せっかくなので久しぶりにブログエントリを書くことにした。年内に仕上げたかったが、いろいろあって年始になってしまった。ブログを書くブランクが長いとこうなる。

なお、当たり前ではあるが、このブログエントリは 100% 私が書いており、記述にも構成にも AI は関与していない。

1月

年末年始は義実家で過ごして考え事をすることが多い。そして、2024年末の考え事はやや暗いムードだったように思う。当時はコーディングエージェントがメキメキと力を伸ばし、人間がプログラミングする領域が削り取られ始めていた。人間がコードを書くことはもうなくなるのだろうか、俺はコーディングが大好きなんだけどな……とモヤモヤしながら過ごしていたことを思い出す。2025年1月の空気感を体現した名文として記憶に残っているのは「もうすぐ消滅するという人間の翻訳について」。

1月のアウトプットは講演3回、ポッドキャスト収録1回。

1月9日にポッドキャストvim-jpラジオに出演。ラジオ等の音声収録専用スタジオで体験がとても良い。収録後に若手ソフトウェアエンジニアの皆さんと食事に行けたのも楽しかった。ベテランになると若手との交流機会が貴重になる。「Twitter が出てくる前は人類はどこでレスバしていたのか」「GitHub が出てくる前は人類はどこで OSS 開発していたのか」等の話をしていた。なお、収録は真面目に話しています。

【実はEmacs30年選手!t-wadaさん登場!】エンジニアの楽園 vim-jp ラジオ #27 www.youtube.com

【TDDへの理解とEmacs】エンジニアの楽園 vim-jp ラジオ #28 www.youtube.com

1月28日にアクセンチュア株式会社様でハイブリッド形式で「質とスピード」を講演。リモートから参加された皆様のチャットもかなり盛り上がる。Accenture Innovation Hub Tokyo は素敵な会場だった。

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2月

2月3日に Andrej Karpathy が "Vibe Coding" をバズらせ、2月4日に Tim O’Reilly が「The End of Programming as We Know It」を出し、2月26日に mizchi さんが「CLINEに全部賭けろ」を出し、これで勝負ありという感じ。人間が運転席から助手席へ、AIが助手席から運転席へと移動した。

2月のアウトプットは講演7回、パネルディスカッション2回。

2月13日、デブサミ2025のパネルディスカッションにブロッコリーさん末村さんと登壇。ソフトウェアテストに関わるものの、やや守備範囲の異なる3人で講演とパネルディスカッションを作り上げるのは楽しかった。同じ布陣で翌月のJaSST東京にも登壇することになる。

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2月19日の RECRUIT TECH CONFERENCE 2025 では、「技術を活かし、技術と生きるエンジニアはキャリアをどう描くか?」と題して古川さん、黒田さんとパネルディスカッション。黒田さんのまとめ力が圧巻だった。

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2月28日には JSConfJP 2024 の登壇に僅差で落選してしまった講演を集めたイベント JSConf.jp おかわり Node学園46時限目 が開催される。私がまさに該当者だったので、こういうイベントはありがたい。そこで行った講演「The Clean ArchitectureがWebフロントエンドでしっくりこないのは何故か」がSNS等で話題になる。『Clean Architecture』と「The Clean Architecture」の混同や誤解が目に余る現状に一石を投じ、Web フロントエンドに「The Clean Architecture」がフィットしない理由は、アプリケーションアーキテクチャとは何かを知ると腹落ちする、という講演をしたかった。その狙いはある程度達成されたように思う。

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なお、『Clean Architecture』の「Clean」はシリーズ名であり、近いのは『シン・ウルトラマン』の「シン」であるというページが最もウケたが、これは99%しょぼちむさんの功績である。

2月はこれまでの講演を再演させて頂く機会も多かった。 2月3日にスミセイ情報システム株式会社様で「組織に自動テストを書く文化を根付かせる戦略」を講演。 翌2月4日に株式会社ドワンゴ様の新人研修として「ソフトウェアエンジニアとしての姿勢と心構え」を講演(こちらの講演は毎年行わせていただいている。誠にありがとうございます)。 2月10日にサポーターズCoLabで「開発生産性の観点から考える自動テスト」を講演。 2月17日に株式会社IRIAM様で「質とスピード」を講演。オンラインでの実況がたいへん盛り上がった。

3月

3月は講演4回、研修2回、パネルディスカッション3回。

3月4日、『DXリーダー必修講義 6つのキーテクノロジー』を出版したばかりの鈴木雄介さん対談する。旧知の仲なのでアウトラインを打ち合わせしただけでも会話が弾む。

3月11日、翔泳社 CodeZine Academy サービス終了に伴い、最後のTDD実践講座を行う。長年講師を務めてきたので、CodeZine Academy 全体の終了は寂しい。なお、今後のテスト駆動開発研修は私に直接お問い合わせいただければと思います。

3月17日、去年から手がけていた株式会社MonotaRO様との研修の本番を実施するため大阪に出張。研修の内容は実システムのコードを題材にした、レガシーシステムをメッセージ駆動アーキテクチャでリアーキテクチャしていく研修。私が伴走した作問チームが非常に優秀で、研修内容にも手応えがあった。この研修は当日だけでなく、当日まで時間をかけて作問チームのメンバーを育てていくのも狙いとなっている。

大阪からの帰路、AI関係への取り組みにさらに踏み込もうと『生成AI・30の論点 2025-2026』を新大阪駅で購入して新幹線の中で読む。こういうまとめ本は短い時間で全体感をつかむのに助かる。今も昔も、新幹線はオフラインでまとまったインプットができる貴重な時間だとしみじみ思う。

大阪から帰ってきたころ、 CLI で使えるコーディングエージェントが出たということですぐに Anthropic の Claude Code を使い始める。黒い画面は実家のような安心感があって使用感が良い。開発環境の VSCode 縛りがなくなり、 Emacs に戻る。ターミナルも Ghostty に乗り換える。結果として年末までこの構成が基本となる。

3月28日に開催された JaSST’25 Tokyo では再びブロッコリーさん末村さんと登壇。会場は京橋のTODAホール&カンファレンス東京。ここも良い会場だった。

4月

4月は講演2回、研修5回、ポッドキャスト収録1回。

春は毎年何社かの新人研修を受け持つ。研修のメニューは「ソフトウェアエンジニアとしての姿勢と心構え」と「テスト駆動開発」。アップデートしながら何年も続けている定番の講演/研修だが、プログラミングが激変している時代に内容をどうアップデートすべきか悩む。コーディングエージェントがコードを書く時代に、どういうキャリアを描くか。テスト駆動開発をどう教えるべきか。結果として、現在の状況を教えつつ、その背後にあるソフトウェア設計の王道を教える二部構成にする。

当時 Claude Code には plan mode がなく、 Claude Desktop で仕様を固めてから Claude Code に移る開発ワークフローだった。講演や研修のデモで、Claude Desktop で仕様を議論しているところを見せたときの方が、TDD でコードを書くところよりも新人ソフトウェアエンジニアの皆さんからの反応が良いのが印象的だった。

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メディア出演としては4月1日にポッドキャスト「聴くエンジニアtype」を収録。話が長くて出演回は4分割されることに……。その内容は記事にもなった。

type.jp

ep.111 持ち時間の100%をアウトプットにするのは危険。“出がらし”になってしまう/テスト駆動開発実践者 t_wada① - 聴くエンジニアtype open.spotify.com ep.112 コンフォートゾーンを抜けるために、技術カンファレンスのCFPに応募する/テスト駆動開発実践者 t_wada② - 聴くエンジニアtype open.spotify.com ep.113 AIエージェント時代のソフトウェア開発とは何かを追い求めたい/テスト駆動開発実践者 t_wada③ - 聴くエンジニアtype open.spotify.com ep.114 勝ち馬に乗ろうはダメ。変革期のるつぼに飛び込み、肌感覚を養うべき/テスト駆動開発実践者 t_wada④ - 聴くエンジニアtype open.spotify.com

5月

5月は講演2回、研修1回。こうまとめてみると5月は意外とアウトプットが少ない。

5月2日に Claude Code が Claude Max Plan で定額制になり、インセンティブ構造が大きく変わる。これは決定的な変化だとすぐに気づく。課金額を気にせずにコーディングエージェントを回せるようになり、見える景色が変わってくる。

5月14日にオンラインで「【技術選定を突き詰める】Online Conference 2025」に登壇。その後に公開した資料「技術選定の審美眼2025年版」が SNS を起点として多くの方に読まれる。ここ20年ほどの技術の変化を包括的にまとめたかったので、登壇依頼は渡りに船だった。講演の文字起こしと動画アーカイブが Findy のサイトで公開されている。

findy-code.io speakerdeck.com

5月26日には株式会社 SmartHR 様にお招きいただき「開発生産性の観点から考える自動テスト」を講演、その後 SmartHR のみなさんと終電近くまで議論できたのも楽しい思い出だった。充実したレポート記事をありがとうございます。

tech.smarthr.jp

6月

6月は講演2回、研修2回、パネルディスカッション2回、インタビュー1回。

GMOペパボ株式会社様は、毎年テスト駆動開発研修を発注してくださる(誠にありがとうございます)。しかも、今回は「生煮えで良いからAI時代のTDDを話して欲しい」との依頼。研修の質保証の度合いを下げても構わないので新しい内容を話して欲しいという依頼はチャレンジングだが、ありがたくもある。ということで、6月3日に「AIとの協業における自動テスト」について講演と研修をさせていただいた。

tech.pepabo.com

6月12日は AI Coding Meetup #2 に一般参加するため移動している途中にDMで依頼が来て、急病の erukiti さんに代わってパネルディスカッションに急遽代打登壇することになる。登壇後にメディア取材もあったのだが、見るからにやる気のない普段着で取材を受けることになってしまったのもある意味で思い出となった。

tech.layerx.co.jp www.youtube.com

6月23日、「Claude CodeにTDDを実行させたいとき、"t-wadaの推奨する進め方に従ってください"がめっちゃ効く」ことが@hori_ryota さんによって発見される。最初は眉唾ものかと思ったが、動かしてみると確かにそう動く。

OSS プロダクト開発としては、この月は LLM フレンドリーな出力形式を求めて power-assert の "stepwise" フォーマットを開発していた。こちらは AI にはコードは書かせておらず、人間(私)が100%コードを書いている。

github.com

6月30日昼にはオンラインイベント Claude Code Deep Dive に登壇。mizchi さんが機器の不調で落ちたり戻ったりしている間をトークでつなぐ。このイベントでは hiragram さんの講演がとても良かった。

6月の自由時間は翌月の開発生産性カンファレンス2025の準備に費やし、ひたすら考え事をしていたような気がする。

7月

7月は講演6回、ポッドキャスト収録2回、インタビュー1回。特に大舞台の多い月。

7月4日の開発生産性カンファレンス2025 の Closing Keynote がこの年一番の大舞台となった。しかもその前日の Opening Keynote には「あの」 Kent Beck が来日する。間違いなく、この登壇までの期間が2025年で一番プレッシャーのかかる日々だった。

初日の Opening Keynote は素晴らしい講演だった。Kent Beck が目の前で講演している。夢ではない。

tech.findy.co.jp tech.findy.co.jp

初日は Kent Beck 効果か、久しぶりに会う懐かしい人たちが沢山来場していて、いきいきとしたカンファレンスの廊下をつくっていた。1日目の昼には Kent Beck の昼食をアテンドし、こちらも楽しい時間を過ごした。Kent Beck さんとは週末のモブプロ会でもご一緒し、そのあとで赤坂で夜までクラフトビールを飲んで話をしたのも一生の思い出になると思う。

オライリージャパン様に頑張ってもらい発売前の『SQLアンチパターン第2版』を書籍コーナーに並べ、サイン会も行わせてもらった。オーム社様にも声をかけ、開発生産性カンファレンスの廊下にブースを出していただいた。もちろん『テスト駆動開発』を並べた。誠にありがとうございます。

2日目は朝から控室でずっと講演をつくりなおしていた。Opening Keynote の内容を受けた Closing Keynote にしたかった。事前に作成した資料を作り直し、再設計をひたすら行う。講演本番は、序盤にスクリーンへの接続トラブルがあり焦ったが、講演自体は試行錯誤の中に情熱が乗り、完全新作の初演ならではのテイストになったと考えている。この講演資料が結果的に2025年の私の講演資料のなかで一番多く読まれた資料となった。この講演は以後アップデートしながら再演を続けることになる。

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7月7日は Agile Journey の取材を受ける。yattom さんといろいろ喋った内容を鹿野さんが編集するという凄い布陣で記事となる。

agilejourney.uzabase.com

7月15日には浜松の株式会社エリジオン様にお招き頂き、講演を午前に1回、午後に1回、そのあと浜松餃子食べ比べパーティと忙しくも楽しい1日となった。お土産に買った「石松ぎょうざ」がたいへん美味で、振り返ればこれが2025年のベストヒットとなるお土産だった。

7月11日にとうとう『SQLアンチパターン第2版』が出版され、7月18日のデブサミ夏にSQLアンチパターン第2版をテーマに登壇し、7月28日にはオンラインで再演もできた。デブサミ夏の講演では ベストスピーカー賞 3位+公募賞 をダブル受賞したのも嬉しかった。

speakerdeck.com www.youtube.com

この月のポッドキャスト収録は2回。7月10日には久しぶりに fukabori.fm に出演。7月29日には oss4.fun に初めてお招き頂く。どちらもリモート収録で、Agentic Coding について話が弾んだ。oss4.fun の songmu さんはこのとき骨折したままの状態での収録だったらしい(ひょっとして私が「8月は働かない」って宣言していたからだろうか……だとしたらとても申し訳ない……)。

fukabori.fm oss4.fun oss4.fun

とにかく忙しい7月だった。

8月

6月、7月が忙しすぎたので、8月はパブリックな活動をせず一ヶ月休むと決めて講演スケジュール調整を行ってきた結果、技術顧問業以外で活動したのは8月25日のみとなった。やればできる。

PCからもインターネットからも離れ、家族でオーストラリア旅行に行く。キャンパーバン(キャンピングカー)をレンタルし、夜は各地のキャラバンパーク(キャンピングカー専用のキャンプ場のようなもの)に泊まる旅。コアラ、カモノハシ、グレートバリアリーフと、抑えるべきところは抑える。オーストラリアは基本的に英語が通じるし、車は右ハンドルで左側通行、長さはメートル法、時差は1時間なので日本との差分が少なく暮らしやすい。買い物はクレジットカードのタッチ決済で、現金は全くと言っていいほど使わない(一回だけ古いコインランドリーの機械にコインを使った。他の日はコインランドリーすら全てタッチ決済だった)。日本が灼熱の夏ということは、オーストラリアは冬。涼しい。すばらしい。

唯一パブリックに働いた 8月25日は昼に弁護士ドットコム株式会社様で講演し、夜はクリエーションライン株式会社様のイベントに登壇した。後者のイベントは若手ソフトウェアエンジニアの方々との対談イベントだったが、「AI時代に、エンジニアはプログラミングを楽しんでもいいのでしょうか?」という質問が強く印象に残っている。

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9月

8月を一ヶ月休みにしたので、しわ寄せの秋が始まる……。講演8回、研修1回、パネルディスカッション1回、ポッドキャスト収録2回。AMA3回。

9月6日は 大吉祥寺.pm 2025 に一般参加。シングルトラックのカンファレンスもいいなとしみじみ思う。せっかくなので爪痕を残そうと思い AMA でアンカンファレンスにエントリー。

翌週から怒濤の講演シーズンが始まる。9月8日午前に株式会社ネットプロテクションズ様で社内講演、同日9月8日午後にインフォコム株式会社様で社内講演、9月9日に株式会社ビズリーチ様で社内研修、9月11日と9月18日には技術顧問としてドコモハッカソンの講演とAMA、9月16日にパナソニック株式会社様で社内講演、9月26日にソフトウェア品質シンポジウム2025で名古屋大学の森崎先生およびGitHub Japan服部さんとパネル登壇、9月29日に POST DEV 登壇と、詰め込みすぎた感がある。なお、9月8日の講演で「質とスピード」が50回目の講演となる。キリ番。

ポッドキャスト収録は2回。まず 9月11日に Yokohama North AM にお招きいただき、オンラインで収録。Discord でリラックスした雰囲気で参加できた。初めてお声がけ頂いたが、この空気感は Yokohama North AM の特色だと思う。

ep.160 @o0h_ @t_wadaと開発生産性カンファレンス、大吉祥寺.pm、AIと信頼について listen.style

ep.161 @o0h_ @t_wadaと読書会、オライリー学習プラットフォーム、AI翻訳、PHPカンファレンス福岡について listen.style

9月30日にはポッドキャスト「リファラジ」にお招きいただいて収録。こちらは新宿の貸し会議室で収録した。リファラジは100回記念の初ゲストに呼んで頂いて本当に嬉しく、勢い込んで本を大量に持ち込んで収録に臨む。収録後の食事も楽しかった。

ep.100 【ゲスト:和田卓人さん】あなたのリファクタリングはどこから?「三度の飯よりリファクタリング」を語る 【リファクタリングとともに生きるラジオ】 www.youtube.com ep.101 【ゲスト:和田卓人さん②】令和のリファクタリング、どう学ぶ? LLMと本それぞれの役割 【リファクタリングとともに生きるラジオ】 www.youtube.com ep.102 【ゲスト:和田卓人さん③】t_wadaさんと考えるAIエージェントとこれからのプログラミング 【リファクタリングとともに生きるラジオ】 www.youtube.com

10月

10月は講演4回、研修1回、パネルディスカッション1回、インタビュー2回。

第2回の代打登壇の縁もあってか、10月3日の AI Coding Meetup #3 にも登壇依頼をいただく。AIネタにもかかわらず、naoya さん、山口さんと3人で地に足の付いた議論をする。

【t-wadaさん, 一休CTO, LayerX】AI時代の開発スピードと品質 / 本当の意味で開発生産性を上げるために必要なこと

www.youtube.com

10月20日は株式会社電通総研様にお招きいただいて講演。同日に講演したところてんさんの講演もとても面白かった。

tech.dentsusoken.com

10月21日は株式会社リコー様にてテスト駆動開発の社内研修。10月27日(月)は宇都宮の株式会社TKC様にお招きいただいて「質とスピード」の社内講演。浜松、宇都宮と、2025年は餃子の街へ出張した年だった。

10月30日には「AI駆動開発カンファレンス 2025秋」に登壇し、登壇後に取材も受ける。この取材記事はかなり多く読まれたように思う。

type.jp

11月

11月は講演6回。「AI時代のソフトウェア開発を考える」の再演依頼が多く、この月だけで4回再演している。

11月5日に「Qiita Conference 2025 Autumn」に登壇。「AI時代のソフトウェア開発を考える」短縮版にカスタマイズして講演。

qiita.com

11月8日には PHPカンファレンス福岡2025 に登壇。「最後のPHPカンファレンス福岡」にどうしても登壇したいので、 CfP に応募して登壇を勝ち取る。内容は2016年からアップデートしながら続けている講演の最新版。堅牢なコードを設計することで、そもそも自動テストを書く必要性を減らそうという話をできたと思っている。PHP のカンファレンスで "Make illegal states unrepresentable", "Define errors out of existence", "Parse, don't (just) validate" の話をできたのは、なかなか熱かったんじゃないかと個人的には思っている。

speakerdeck.com

11月10日には三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社様にお招きいただき、「単体テストを書く文化を組織に根付かせる戦略」のカスタマイズ版を講演したあとでトークセッションにも参加させて頂いた。

zenn.dev

その後も登壇が続いていたが、この月は中盤にインフルエンザに罹患し、以後は咳き込みながらオンライン登壇することになる。その後、インフルエンザがきっかけとなり持病の咳喘息が発症し、年末まで苦しむ。Agile Japan 2025 基調講演とシンプレクス株式会社様社内講演はインフルエンザ罹患後でいろいろご心配をおかけしました。

12月

12月は講演7回、研修2回、AMA2回。こう見ると師走に結構働いている。

12月1日に新しい取り組みとして仕様駆動開発(SDD: Spec-Driven Development)の研修を行う。こちらは株式会社クレディセゾン様が「生煮えで良いからコーディングエージェントの研修を」という依頼をくださって実現。初めてにしては上手くいったと思うが、コーディングエージェントを使った研修は動作が確率的になるので体験の質保証がむずかしく、研修としては2026年もあたらしい形を模索していくことになると思う。

12月8日には NTTテクノクロス株式会社様にお招きいただいてTDD研修。こちらもAgentic Codingに合わせてアレンジする。

12月9日に Re:TechTalk #18 で、翌12月10日には技術コーチを務める CARTA Holdings で「予防に勝る防御なし(2025年版) - 堅牢なコードを導く様々な設計のヒント」を再演。再演機会があるのは本当に嬉しい。何回でも喋ります。 hireroo.connpass.com techblog.cartaholdings.co.jp

12月24日にFindyの「AI時代のソフトウェア開発を考える」再演イベントにチャットでリアルタイム参加して2025年の仕事を終える。 findy.connpass.com

2025年のアウトプットまとめ

新作講演(5つ)

毎年年末に speakerdeck から発表される 2025’s Most Viewed Speaker Deck Presentations に「AI時代のソフトウェア開発を考える」と「技術選定の審美眼(2025年版)」がノミネートされた。これはうれしい。

blog.speakerdeck.com

2025年に読んで/買ってよかったもの

2025年に買って読んだ本で特に良かったものを1冊に絞るなら『LLMのプロンプトエンジニアリング ―GitHub Copilotを生んだ開発者が教える生成AIアプリケーション開発』になる。単なるプロンプトエンジニアリングの本を超えているので、タイトルで損をしている気がしている。

www.oreilly.co.jp

2025年に買ったガジェットで良かったものは EIZO の 34.1型ウルトラワイド曲面モニター FlexScan EV3450XC。これは良いものだ。もっと早く手に入れるべきだった。ベテランは目を労らなければならない。

kakaku.com

雑感

2025年もよく働いた。3月以降はずっとコーディングエージェントを触っていて、夏以降は AI 関係の講演や研修依頼が多い1年だった。

自動テスト、テストファースト、テスト駆動開発の啓蒙活動としては、2025年は最も大きい変化があった年だったと思う。

その分「意味の希薄化」も激しいが、そこは再びコツコツと伝え続けるしかないとは思う。

t-wada.hatenablog.jp gihyo.jp

ソフトウェア開発における大変革の中で、課題も多く見つかったが、ポジティブな発見も多い1年だった。結果的に2025年1月の暗い気分は晴れ、「新しいゲームのルールの下でやってやるぞ」という、1年前よりはずいぶんと前向きな気持ちになっている2026年元日となった。